やりイカじゃまイカさきイカ

と言えば、後の「日専連レゲレゲレンジャー」である。

と書いて何のことか分かる人は少ないかな?
過去に実在したよさこいチームの名前である。


ジツハ私「YOSAKOI」が好きだったりする。


とは言え、世間で言われてる批判は実際に的を得ていると思うし、
アレは「祭り」ではないと思う。
(あ、でも神宮の例大祭云々は的外れな批判にしか思えない。「江戸にもない」と謳われる江差の祭りを見た人間としては札幌には祭りはない。)
駅とか道路とか公衆トイレとかで直接私自身が迷惑をこうむったこともあるし、「昔はヨカッタ」的に言われる学生主体、4番街中心だった時代の同年代の学生スタッフから内部批判をじっくり聞いたこともある。
何より、わざわざアルファベットで「YOSAKOI」と書く魂胆が気に入らない。


それでも
・車は仕事でしか運転せず、
珍舞を見るのが苦痛ではなく、
・一番近い会場からでも200mくらいは離れている
私にとっては買い物ついでに眺めたり、複雑なシステムの中での各チームの成績や順位を予想したりするのは結構面白い。


そして、興味がない人には全部「竹の子族」にしか見えない各チームが意外とそれぞれの個性と歴史を持っている訳でそこら辺が妙に面白かったりもする。


冒頭に書いた日専連レゲレゲレンジャーなんかは当然日専連がスポンサーで、ニッセンレンジャーもいるわけなのだが、その薄っぺらいラスタカラー、シャネルズばりの黒塗り、本気で楽しそうなインチキレゲエにスポンサーの看板キャラクターが完全に負けていた。踊り子の誰もがスポンサーの為にニッセンレンジャーを盛り上げる気がないことは一目瞭然。
むしろもう少しスポンサーに気を使った方がと見ているこちらが要らぬ心配をしてしまうほどだった。(まぁ、でもスポンサーの雰囲気をちゃんと感じさせたチームってa la collette?4プラ.とかコカコーラくらいかなぁ?あ、化粧品屋のチームもあったっけ・・・)


 平岸天神は、昔“平岸商店会”に加盟していた書店でバイトしていた頃、商店会の祭りで一緒にイカを焼き、売り物のビールをただで飲ませてくれた「天神太鼓のおっちゃん」が地方車に乗っているの見て以来贔屓にしている。あの強豪チームが商店会の名物太鼓から始まったと言う神話は私にとっては紛れもない真実。“海のない町”札幌のチームが誰よりもソーラン節を感じさせる存在となったのには流石に驚いたけど。


 わが故郷函館を代表するチームである「函館 躍魂 いさり火」はファイナル進出を果たしたこともあり古豪と呼ばれるチームだが、北海道の港町の地域チームであるにもかかわらず「よさこい」どころか「ソーラン節」さえ微塵も感じさせない。だけでなく新撰組戊辰戦争など函館的なモチーフを配してるにも拘らず、そこに「オラが街」のよさを表現すると言った朗らかさは皆無だ。
 当の本人たちは意識してないだろうとは思うが、コレは「函館の現状」や「札幌」と「札幌を中心とした北海道」に対する複雑な思いの表れなんじゃないかと思う。函館には自分たちを北海道の一部とは考えていない偏屈な「函館ナショナリズム」が存在していて、彼らの踊りには間違いなくそれが刻み込まれている。


 曲だけなら札幌の学生チームが使っていてもおかしくない雰囲気なのに、ツイ大漁旗を背負い、四股を踏むようなステップをしてしまう(旧)三石なるこ会も日高の漁師町の業を感じずには居られない。


 決して強豪ではないが、「ソーラン」だって言ってるのに「追分」で勝負する「江差追分かもめの会」も侮れない。


 そして私が現在住んでいる地域には(住所的には隣町だけど)個性につながる地域性が特にない中、細々と饅頭を売って資金の足しにしている「澄川精進蛍会」がある。こういう貧乏チームに肩入れするのも悪くない。


 よさこい枯れで苦労している人たちには申し訳ないが、私としては結構毎年楽しませてもらっている。


 今年は夢総漣えさしに勝ってほしかったなぁ・・・